2019(令和元)年5月 アメリカ合衆国
5月27日、アメリカ合衆国が臨界前核実験を実施していたとの報道に接し、次のとおり抗議文を送付しました。
抗 議 文
2019年5月27日
在本邦アメリカ合衆国大使館
特命全権大使
ウィリアム・F・ハガティ 閣下
日本非核宣言自治体協議会会長
長崎市長 田上 富久
貴国が本年2月13日に臨界前核実験を実施したとの報道に接した。これは、2017年12月に続く、現政権での2回目の核実験であり、日本非核宣言自治体協議会は、貴国の核実験に対し341自治体とその住民を代表し、厳重に抗議する。
国連で核兵器禁止条約が採択され、国際社会が「核兵器のない世界」の実現に向けて努力するなか、核兵器保有や新たな核兵器開発へつながる核実験を実施することは、核兵器廃絶を願う世界の人々の期待を裏切るものであり、国際社会における核軍縮・不拡散への取り組みに逆行するものである。
また、今回の臨界前核実験は、第2回米朝首脳会談が開催された時期に行われている。アメリカの核の脅威が北朝鮮の核開発につながったことを考えると、北朝鮮側の不信感をあおり、今後の交渉に悪影響を及ぼしかねない行為であり、朝鮮半島の非核化を期待する多くの人たちを失望させる行為と言わざるを得ない。
貴国においては、今後一切の核実験の計画を即時中止するとともに、真摯に核軍縮に取り組み、「核兵器のない世界」の実現に向けた主導的役割を果たされるよう強く求める。
今回の貴国の臨界前核実験実施に対し、日本非核宣言自治体協議会の名において厳重に抗議するので、本国へ伝達されるよう依頼する。