2002年9月 アメリカ合衆国
5月26日(現地時間)に臨界前核実験を実施したとの報道を受けて、5月27日に 抗議文を送付しました。
抗 議 文
2002年9月27日
在本邦アメリカ合衆国大使館
特命全権大使
ハワード.H.ベーカー 閣下
日本非核宣言自治体協議会会長
長崎市長 伊藤 一長
この度、貴国が9月26日(現地時間)にネバダの核実験場において臨界前核実験を実施したとの報道に接しました。
貴国が、核兵器廃絶を願う私たちの抗議と中止要請を無視して今回も臨界前核実験を強行したことに対して、日本非核宣言自治体協議会の320自治体とその住民を代表して、厳重に抗議するものです。
貴国は今月20日に発表した政策文書「米国の国家安全保障戦略」において、大量破壊兵器を持つ敵への先制攻撃を正当化し、他国の追随を許さない軍事力の圧倒的な優位を堅持することを打ち出しました。国際社会の理解が得られなければ単独での行動も辞さないという貴国の独断的な行動、さらに前回の実験から1か月もたたないうちに臨界前核実験を強行したことに大きな憤りを感じます。
去る8月9日には、日本の非核宣言自治体の代表者が被爆地長崎に集い、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現のための一層の連帯と協力を誓い合い、被爆57周年長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に参列し、非核平和宣言の決意を新たにしたばかりであります。
このような中、貴国が相次いで臨界前核実験を強行することで他の核保有国の実験を誘発し、ひいては際限のない核軍拡競争の再来を招くのではないかと危惧しています。
貴国とイラクとの軍事的緊張も高まる今日、貴国が世界の大国として、武力によらない紛争解決に努力を払われることと、さらには今後、臨界前核実験を含むあらゆる核実験を中止し、核兵器廃絶の先導的役割を果たされるよう強く要請します。
ここに、今回の臨界前核実験に対する抗議文を送付いたしますので、本国へ伝達されるようお願いいたします。