2002年2月 イギリス
米国と英国が、2月14日(現地時間)に臨界前核実験を予定しているとの報道に対し、12月14日に中止を要請した。また、現地時間14日午後1時30分(日本時間15日午前6時30分)臨界前核実験実施の報道を受けて、15日(日本時間)に両国の在日大使館あて抗議文を送付した。英国の臨界前核実験は初めて。
抗 議 文
2002年2月14日
在本邦連合王国大使館
特命全権大使
スティーヴン.ジョン.ゴマソール 閣下
日本非核宣言自治体協議会会長
長崎市長 伊藤 一長
本日、貴国が米国と共同で、米国ネバダ州の地下核実験場において2月14日(現地時間)に臨界前核実験を実施するとの報道に接しました。これに対し、日本非核宣言自治体協議会の314の自治体とその住民を代表して、実験の中止を強く求めます。
私たち非核宣言自治体は、核兵器は住民の生活と安全を脅かす究極の兵器であるとの認識に立ち、核兵器の廃絶を求めるものです。
貴国は、1991年11月の地下核実験以降、10年以上にわたり臨界前核実験を含め一切の核実験を実施しておらず、核保有国5カ国の中で核軍縮への指導的役割を果たせる国として期待されていました。
このたび米国と共同して臨界前核実験を行おうとしていることは、世界の人々の核軍縮への期待を裏切るばかりか、CTBTの一日も早い発効を願ってきた国際社会の努力を踏みにじる暴挙であり、強く抗議します。
貴国が米国、ロシアに次いで臨界前核実験の第3番目の実験国となれば、他の2カ国の実験を誘発し、ひいては、新たな核兵器開発競争を引き起こすことすら懸念されるところです。
非核自治体宣言運動の発祥の地であり、核兵器廃絶の市民運動の中心でもある貴国の政府に対し、計画中の臨界前核実験の中止と核兵器廃絶に向けた貴国の積極的なイニシアチブを求めますので、直ちに本国へ伝達されますよう要請します。
抗 議 文
2002年2月15日
在本邦連合王国大使館
特命全権大使
スティーヴン.ジョン.ゴマソール 閣下
日本非核宣言自治体協議会会長
長崎市長 伊藤 一長
貴国が米国と共同で、米国ネバダ州の地下核実験場において現地時間2月14日に臨界前核実験を実施したとの報道に接しました。これに対し日本非核宣言自治体協議会の314の自治体とその住民を代表して強く抗議いたします。
私たち非核宣言自治体は、核兵器は住民の生活と安全を脅かす究極の兵器であるとの認識に立ち、核兵器の廃絶を求めるものです。
貴国は、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を行っており、1991年11月の地下核実験以降10年以上にわたり臨界前核実験を含め一切の核実験を実施していませんでした。また、非核自治体宣言運動の発祥の地であり、核兵器廃絶の市民運動の中心でもある貴国の政府に対し、核兵器廃絶に向けた貴国の積極的なイニシアチブを世界の人々は期待しておりました。
このたび、米国と共同して臨界前核実験を実施したことは、CTBTの精神に反するものであり、核軍縮の実現へ向けての国際社会の努力を踏みにじる暴挙であり、強い憤りを感じずにいられません。
貴国の臨界前核実験参加が、かつての核兵器拡散の流れを思い起こさせるものであり、今後の核兵器開発競争の再燃を危惧させるものです。
ここに、日本非核宣言自治体協議会の名において、臨界前核実験に対する抗議を送付いたしますので、本国へ伝達されるようお願いいたします。