日本非核宣言自治体協議会 National Council of Japan Nuclear Free Local Authorities

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2001年9月 アメリカ合衆国

9月26日(現地時間)に臨界前核実験を予定しているとの報道に対し、9月25日に中止を要請した。また、臨界前核実験実施の報道を受けて、9月27日に抗議文を送付した。

抗 議 文

2001年9月25日

在本邦アメリカ合衆国大使館
特命全権大使
ハワード.H.ベーカー 閣下

日本非核宣言自治体協議会会長
長崎市長 伊藤 一長

この度、貴国が9月26日(現地時間)にネバダ州の核実験場において臨界前核実験を実施する予定との報道に接しました。これに対し、日本非核宣言自治体協議会の314の自治体とその住民を代表して、実験の中止を強く求めます。 私たち非核宣言自治体は、核兵器は住民の生活と安全を脅かす究極の兵器であるとの認識に立ち、核兵器の廃絶を求めるものです。
貴国における同時多発テロにより多くの市民が犠牲になったことは大変衝撃的であり、関係の皆様に心からお見舞いを申し上げます。そして、この悲しい事件とそれに対する貴国の軍事的報復の発表に世界の人々は大きな不安を抱いております。 このような時期に、核兵器の維持、開発につながる核実験を継続することは、核兵器の使用に対する危惧を徒に煽るものであり、憂慮に堪えません。
また、今秋、ニューヨークにおいてCTBT(包括的核実験禁止条約)発効促進会議が開催予定であり、その開催を前に貴国が臨界前核実験を強行しようとしていることは、核実験の禁止に向けた国際社会の真摯な取り組みに水をさすものであり、核兵器廃絶を求める世界の人々の願いを裏切る行為だと言わざるを得ません。
貴国は大国として核兵器廃絶に向け主導的役割を果たすべきであり、その意味からも実験を中止するよう重ねて要請いたします。
ここに、日本非核宣言自治体協議会の名において、今回の臨界前核実験計画の中止を強く求めますので、本国へ伝達されるようお願いいたします。

抗 議 文

2001年9月27日

在本邦アメリカ合衆国大使館
特命全権大使
ハワード.H.ベーカー 閣下

日本非核宣言自治体協議会会長
長崎市長 伊藤 一長

この度、貴国が9月26日(現地時間)にネバダの核実験場において臨界前核実験を実施したとの報道に接しました。
CTBT(包括的核実験禁止条約)の精神に反する臨界前核実験を繰り返してきた貴国の暴挙は、平和を願う世界の人々に怒りと深い悲しみを与えるものです。国際世論を無視したこの度の核実験に対して、日本非核宣言自治体協議会の314の自治体とその住民を代表して、厳重に抗議するものです。
核兵器は圧倒的な破壊力を持つ無差別大量殺戮兵器であり、罪もない多くの市民を巻き込むばかりでなく、長年にわたり放射線被爆による後障害で苦しみつづけることを56年にわたる広島、長崎の体験が物語っています。
ICJ(国際司法裁判所)の勧告にもあるように「核兵器の威嚇と使用は国際法に反する」ものであり、核兵器の維持管理のみならず新たな核兵器開発さえ可能といわれている臨界前核実験の強行は大変遺憾であります。
貴国は昨年のNPT(核不拡散条約)再検討会議で採択された「核保有国による核兵器廃絶への明確な約束」を誠実に実行する義務があります。その証として、直ちにCTBTを批准し、早期発効に向け最大限の努力を払われるとともに、今後いかなる核実験も行わないように要請いたします。
ここに、今回の臨界前核実験に対する抗議文を送付いたしますので、本国へ伝達されるようお願いいたします。