2000年11月 ロシア連邦
10月20日と27日(現地時間)に臨界前核実験を実施したとの報道を受けて、11月4日に抗議文を送付した。
抗 議 文
2000年11月4日
在本邦ロシア連邦
特命全権大使
アレクサンドル.ニコラエヴィチ.パノフ 閣下
日本非核宣言自治体協議会会長
長崎市長 伊藤 一長
このたび、貴国が10月20日と27日に、ノバヤゼムリャ島において2回の臨界前核実験を実施したとの報道に接しました。
現在、ニューヨークでは、国連ミレニアム総会が開催中であり、11月1日には、第一委員会においてわが国が提案した「核兵器の全面的廃絶への道程」が採択されたところであります。この採決にあたり、貴国が投票を棄権したことについて、5月のNPT再検討会議で合意された「核兵器廃絶に向けた明確な約束」の履行に対する貴国の姿勢に憂慮の念を抱いていたものであります。
このような時期に、貴国が臨界前核実験を実施したことは、他の核兵器保有国を刺激し、さらに核兵器の開発競争へと繋がるのではないかと危惧するものです。
貴国の一連の核実験は、21世紀を迎えるにあたり、核兵器の脅威のない世界を私たちの子孫に残したいという世界の人々の願いに逆行する行為であり、大変遺憾であります。
日本非核宣言自治体協議会の300の自治体とその住民を代表して、厳重に抗議するとともに、今後いかなる核実験も行わないように強く要請いたします。
ここに、今回の核実験に対する抗議文を送付いたしますので、本国へ伝達されるようお願いいたします。