日本非核宣言自治体協議会 National Council of Japan Nuclear Free Local Authorities

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第29回(平成24年度)

第29回 日本非核宣言自治体協議会総会決議

1945年8月に広島と長崎に原爆が投下され、約20万人もの市民が無残な死を遂げた。
核兵器は、子供も、女性も、高齢者などの非戦闘員も、区別なく殺りくする非人道的な兵器だ。日本非核宣言自治体協議会は、非人道的核兵器の使用が、人類と地球の破滅をもたらすと考え、生命の尊厳を保ち、安全で平和な生活ができる世界の実現に寄与するため、非核宣言を実施した自治体同士連携し核兵器廃絶を訴えてきた。
今年4月、北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射に引き続き、3回目となる地下核実験強行を懸念する報道が世界を駆け巡った。広島と長崎の原子爆弾投下から67年が過ぎようとしている今も、私たちは核兵器の脅威から逃れることができないでいる。
北朝鮮の核兵器を巡る不安定な情勢は、海をひとつへだてた国で暮らす私たち自治体の住民にとっても深刻な、憂慮すべき事態となっている。日本非核宣言自治体協議会は、これまでにも北朝鮮に核廃棄を求め、日本と朝鮮半島に核兵器に頼らない安全保障の枠組みとして「北東アジア非核兵器地帯」の創設を提言してきた。
最近では、非核宣言自治体の有志の首長と日韓の非政府組織(NGO)4団体は、289市町村長の署名を携えて、昨年8月と今年3月、外務大臣などに「北東アジア非核兵器地帯」創設を要請した。国際社会では、2010年のNPT再検討会議の結果を踏まえ、「中東地域非核兵器地帯創設」の会議開催の努力が続けられている。
私たちはこうした非核兵器地帯創設を目指す国内外のさまざまな取り組みを支持し、「核兵器のない世界」に至る方法のひとつとして「非核兵器地帯」の多様な可能性について世論の喚起に努めたいと考えている。
最終的な核兵器廃絶のためには、「核兵器禁止条約(NWC)」により核兵器を非合法化しなければならない。その前提として、核兵器がいかに残酷で、非人道的な兵器なのか、世界の人々が共通の認識とする必要がある。私たち協議会では、これまでに原爆展を各地で開催して核兵器の非人道性を訴えてきた。今年は特に平和市長会議が加盟都市5000突破を記念して、世界各地での原爆展の開催を呼びかけており、私たちもこれに賛同して、被爆の悲惨な実態をあらためて世界に伝えていきたい。
被爆国の自治体として、私たちは次世代教育において重要な貢献ができると考えている。今年8月、日本国政府と国連大学が主催する「軍縮・不拡散教育グローバル・フォーラム」が長崎市で開催される予定であり、私たち協議会もフォトコンテスト開催などの関連イベントを行いフォーラムに協力をしていきたい。また、今年4月に設立された長崎大学「核兵器廃絶研究センター」などの教育研究機関との連携を図るなかで、自治体における核不拡散・軍縮教育の充実にさらに努めていきたい。
東日本大震災と東京電力福島第1原子力発電所の事故で被災した地域の一刻も早い復興を心から願うとともに、住民が安心して暮らしていける地域社会実現のために、核兵器廃絶に向けて一層努力することをここに決議する。

2012(平成24)年5月30日
日本非核宣言自治体協議会