第24回(平成19年度)
第24回 日本非核宣言自治体協議会総会決議
昭和20年8月、広島・長崎に原子爆弾が投下されて以来、我々は被爆国の自治体として、核兵器廃絶に向けた努力を続けてきた。
しかしながら、核保有国は一向に核兵器廃絶に取り組もうとしないばかりか、新たな核兵器の開発を推進しており、こうした姿勢がさらなる核の拡散を誘発するなど、核兵器廃絶の唯一の国際合意である核不拡散条約(NPT)体制はまさに崩壊の危機に瀕している。
こうしたなか、世界の120ヵ国・地域の1,600を超える都市が加盟している平和市長会議では、「核兵器の使用・威嚇は一般的に国際法に違反する」とした1996年の国際司法裁判所による勧告的意見を踏まえ、同意見で述べられた「核軍縮交渉を誠実に履行し完結させる義務」の遂行を核保有国に求める「誠実な交渉義務推進キャンペーン」を世界的に展開し、その具体的な行動として、人々が日常生活を営む場所を核攻撃の目標にしないよう求める「Cities Are Not Targets(CANT)プロジェクト」に取り組んでいる。
本年4月17日、日本非核宣言自治体協議会会長である伊藤一長前長崎市長が、銃撃を受け、翌18日に逝去された。私たち日本非核宣言自治体協議会は、伊藤一長前会長の核兵器廃絶に向けた遺志を受け継ぎ、人類の生存を脅かす核兵器のない平和な世界が一日も早く実現するよう、平和市長会議による国際的な平和推進活動を支持するとともに、核保有国に対し、核兵器廃絶に向けた誠実な交渉開始と都市への核攻撃目標解除を強く要請することを決議する。
2007(平成19)年5月17日
日本非核宣言自治体協議会
決議文を日本国政府、国連、核保有国等の駐日大使館、北朝鮮政府などへ送付したところ、下記のとおり返事が届きました。
2007年8月7日
日本非核宣言自治体協議会 会長
長崎市長 田上 富久 様
この度は、日本非核宣言自治体協議会の第24回総会決議文を送付いただき、誠にありがとうございます。いただいた決議文はブッシュ米国大統領のほうにも送付しておきます。米国は世界規模の安全保障を真剣に受け止めており、また核兵器がそれを誤った使用をする者の手に確実に渡らないために全てをかけることを誓います。
駐日米国大使館
特命全権大使
J.トーマス・シーファー
2007年8月6日
日本非核宣言自治体協議会 会長
長崎市長 田上 富久 様
7月31日付のお手紙と日本1,448自治体による貴重な決議文をありがとうございました。日本非核宣言自治体の皆様が公約される核兵器廃絶の実現は私の切実なる願いでもあります。私は皆様がこの公約を遂行する決意を称賛いたします。
私と同僚は、よく存じていました伊藤前市長の突然の死去に深い悲しみを受けました。核兵器廃絶という同一の目的に向かって奮闘し、連携できることを楽しみしています。
国際連合欧州本部
軍縮会議事務局次長
ティム・コーリー