第16回(平成13年度)
第16回非核宣言自治体全国大会決議
広島・長崎に原子爆弾が投下されてから56回目の夏を迎えた。私たちは、被爆地長崎において、それぞれの自治体における非核宣言の決意を想い起こし、核兵器の廃絶と世界平和の実現のために相互の連帯と協力を強化することを誓い合った。
1996年7月、国際司法裁判所は、「核兵器の使用は、一般的に国際法に違反する」との勧告的意見を発表した。これは、国際社会が核兵器の非人道性を認めたことの証であり、私たち、核兵器廃絶を願う者を力づけた。
しかし、核保有国による核軍縮交渉は進展を見せず、一方で1998年5月にインドとパキスタンが核実験を強行し、核兵器の拡散という私たちの懸念が現実のものとなった。また、核兵器廃絶への重要なステップとなるCTBT(包括的核実験禁止条約)は、1996年9月の国連総会において圧倒的多数で可決されたもののいまだに発効していない。
昨年5月のNPT(核不拡散条約)再検討会議の最終合意文書には、CTBTの早期発効とABM条約の維持・強化が確認され、「核兵器廃絶への核保有国の明確な約束」が盛り込まれた。
今年に入って明らかになった、これまでの核軍縮の流れに逆行するような核大国の発言や、核兵器の脅威を宇宙にまで広げようとする姿勢に、新たな核軍拡を危惧するものである。このような中で、先ごろの主要国首脳会議(ジェノバ・サミット)において核軍縮・軍備管理の問題が取り上げられなかったことは、非常に残念であり、今後の核軍縮の遅滞を憂慮する。
核兵器は、無差別大量殺戮を行うだけでなく、地球環境をも破壊する兵器である。核兵器が存在する限り、人類の恒久平和はあり得ない。美しい地球と平和な未来を子どもたちに残すことは、私たちの責務である。
私たちは、この認識のもとで、核兵器を保有する全ての国家に一日も早い核兵器の廃絶を訴える。そして、核保有国が核軍縮に関する国際的な取り決めや合意を尊重し、具体化させることを強く求めるものである。
私たちは、国内外の人々、NGOと連携を深め、21世紀を核兵器のない世紀とするために更に努力を続けていくことをここに決議する。
2001年(平成13年)7月27日
第16回非核宣言自治体全国大会