第12回(平成9年度)
非核宣言自治体全国大会決議
被爆から52年目の平和を見つめ直す夏がまたやってきました。私たちは被爆地広島に集い、核兵器の恐ろしさと平和の尊さを再確認し、核兵器の廃絶と恒久平和の実現に決意を新たにした。
昨年は、冷戦後の世界の平和秩序が、これから先どのような方向性を示していくかが問われた包括的核実験禁止条約(CTBT)が国連総会にて圧倒的多数で採択された。核実験を禁止するという行為が、国際規範になったことは、大きな前進であり、核兵器の廃絶と恒久平和の実現に向かって、私たちにとっては新たなる展開の局面を迎えたと言える。
しかしながら、一部の国において、この条件について批准がされず、条約の発効が危ぶまれていることに、危機感を抱かざるを得ない。
また、本年7月、米国による「臨界前核実験」が、平和を望む世界の流れに逆行して、強行された。これは、一部の核保有国によって、あらたな核兵器開発競争の幕開けとなってしまう可能性があり、極めて憂慮すべきことである。
私たち日本非核宣言自治体協議会は、住民の生命と暮らしを守る立場から日本政府や核保有国に対し、次のことを働きかけていかなければならない。
日本は世界で唯一の核兵器による被爆国として、核保有国に対し全面的な核実験禁止や、「臨界前」並びに「コンピューター・シュミレーション」等による核実験の全面禁止を求めるとともに、核兵器の廃絶のために核軍縮の具体的内容やスケジュールの提示をあらためて求める。
日本政府に対しても、1996年1月にオーストラリアで開催された「キャンベラ委員会」で提言されているとおり、非核世界へ向けての現実的な方策を、政府としても具体的に確立していくことを強く求める。
今年は、広島市、長崎市を中心とした「第4回世界平和連帯都市市長会議」が開催されており、国際平和秩序を形成しようとする運動の指針が示されるであろう。
私たちは、こうした平和への取り組みの中で、核兵器のない平和な地球を子や孫に継承していくために、世界の人々と手を携え、人類が真の意味における平和を迎えることができるよう、努力していくことをここに決議する。
1997年(平成9年)8月5日
非核宣言自治体全国大会