日本非核宣言自治体協議会 National Council of Japan Nuclear Free Local Authorities

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第10回(平成7年度)

非核宣言自治体全国大会決議

私たち非核宣言自治体は、被爆50年のこの夏、一瞬にして14万有余の尊い生命が奪われた被爆地広島で第10回全国大会を開催し、人類と共存しえない核兵器の廃絶と、恒久平和の実現へ決意を新たにした。
世界は今、東西冷戦の終結後数年が経過したにもかかわらず、核保有国の核軍縮は思いのほか進まず、一方、核拡散と核軍備増強の危険は増大している。冷戦時代の核抑止戦略は幽霊のように世界をさまよい、核はかかせないとする戦略思想が、いまだに核大国をとりこにしている。
本年5月、国連の核拡散防止条約(NPT)再検討会議は、法的拘束力のない「核不拡散と核軍縮の諸原則及び目標」と「再検討プロセス強化」の2文書の採択と引き替えに、核大国5カ国の核兵器保有を無制限に認めてしまった。
その直後、中国は地下核実験を実施し、フランスは、南太平洋で本年9月から核実験を再開しようとしている。これら核保有国の動きは、平和と核廃絶を求める世界の世論への挑戦であると同時に、現在、核実験を停止しているアメリカ・ロシア・イギリスに再開の口実を与え、核軍備増強へと転換させる契機となりかねない。
今、世界の各地で、放射能汚染をもたらす核実験の中止を求め、草の根の反対運動が展開されている。私たちも住民の生命とくらしを守る立場から、様々な方法で実験中止をめざす運動に取り組まなければならない。
現在、わが国の非核宣言自治体は2019にのぼり、自治体総数の61%、全人口の77%を占めるまでになった。私たちには、今、それぞれの自治体で平和を求める人々と平和事業を積極的に推進し、非核宣言の実効性を担保する核兵器廃絶平和条例の制定をめざすとともに、環太平洋の自治体との交流と連帯を深め、平和と核廃絶への取り組みを強めることが求められている。
また、日本政府に対し、核兵器はいかなる意味でも非人道的、違法なものであることを表明すること、非核三原則の法制化や被爆者援護法の一層の充実、北東アジア非核地帯づくりへの働き掛けを強く要求し、世界の核保有国に対しては、今世紀中の核兵器の廃絶をめざし、NPT再検討会議の採択2文書の具体化による、核軍縮と核実験全面禁止の具体的内容やスケジュールの提示を求める。
私たちは、被爆50年にあたり、核兵器も戦争もない21世紀の平和な地球をつくるため、世界の人々と手をたずさえ、不断の努力を続けていくことをここに誓う。

1995年(平成7年)8月5日
非核宣言自治体全国大会