第21回非核宣言自治体全国大会決議
広島・長崎に最初の原子爆弾が投下されてから61年目の夏を迎えた。
私たち非核宣言自治体は、被爆国である日本の自治体として、住民一人ひとりの生命と暮らしを守るために、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を訴えてきた。
しかしながら、現在の核兵器を巡る国際社会の状況は混迷を深めている。
核保有国による核軍縮への取り組みは進展せず、最近では、核兵器の保有を宣言した北朝鮮によるミサイル発射が、自治体の住民を切迫した不安に陥れたことも記憶に新しい。また、イランの核開発疑惑が国際社会に緊張をもたらし、インドの核兵器開発を黙認して、米国が原子力技術の協力体制の構築の動きを見せるなど、従来の核不拡散体制においては予想もしなかった事態も生じている。すでに核兵器を保有しているパキスタンや、事実上の核兵器の保有国と言われるイスラエルの存在なども考えれば、核不拡散体制はすでに崩壊の危機に瀕していると言わざるをえない。私たち非核宣言自治体は、こうした核兵器廃絶の流れに逆行する事態を深く憂慮している。
被爆国である日本政府は、国際社会で核廃絶の動きに指導的役割を果たすとともに、非核三原則の法制化と北東アジア地域の非核地帯の創設に粘り強く取り組んでいくべきである。
また、国際社会は核兵器廃絶の使命を自覚して、核不拡散体制を堅持しながら、核軍縮と核不拡散にさらに真摯に取り組んでいかなければならない。
市町村合併による自治体の再編が一段落した現在、私たち非核宣言自治体は、新たに誕生する非核宣言自治体に連帯を呼びかけるとともに、平和市長会議や世界のNGOとも連携して、自治体間のネットワークを広げ、核兵器廃絶と恒久平和の実現に向けて一層努力することをここに決議する。
2006(平成18)年7月28日
第21回非核宣言自治体全国大会