第20回非核宣言自治体全国大会決議
1945年8月、人類史上初めて広島市と長崎市に原子爆弾が投下された。一瞬にしてまちは破壊され、死者は20万人を超えた。生き延びた人々も身体と心に癒すことのできない傷を負い、今なお苦しみ続けている。私たちは、二度とこのような惨禍を繰り返してはならないと思い、核兵器の廃絶を求めてきた。
あの日から60年、幸いにも核兵器が使用されることはなかった。しかしながら、地球上には今なお数万発の核兵器が存在し、新たに核兵器の保有を目指す国さえ出現している。核保有国は核兵器に固執する姿勢を決して崩さず、今年5月に開催された核不拡散条約(NPT)再検討会議は、世界が直面している核拡散の危機に対して、何の成果も出すことはできなかった。
私たち非核宣言自治体は、核戦争による人類絶滅の危機から、住民一人ひとりの生命とくらしを守り、現在および将来の国民のために、世界恒久平和の実現に寄与することが重大な使命であることを深く認識している。その使命を果たすため、自治体間の連携を強め、非核宣言活動の輪を広げてきた。今では、全国の8割の自治体が非核・平和宣言を行い、核兵器の廃絶は日本国民のゆるぎない意志となった。日本政府は、私たち非核宣言自治体の声を真摯に受け止め、直ちに非核三原則を法制化し、国際社会において核兵器廃絶運動の先頭に立つべきである。
日本国民は、戦後60年にわたって平和国家として今日の繁栄を築いてきた。しかし、核兵器の存在は依然として人類の脅威である。私たちは、被爆60周年を機に、唯一の被爆国である日本の自治体として、自らが定めた非核・平和宣言の実現を目指し、これからも互いに手を携え、核兵器の廃絶と恒久平和の実現を国内外に呼びかけるとともに、その輪をさらに広げていくことをここに決議する。
2005(平成17)年8月5日
第20回非核宣言自治体全国大会