第19回非核宣言自治体全国大会決議
広島・長崎に原子爆弾が投下されて59回目の夏、私たち日本非核宣言自治体は、それぞれが行った非核平和宣言の決意を新たにし、核戦争による人類絶滅の危機から、住民一人ひとりの生命とくらしを守るため、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に寄与することが自治体に課せられた重大な使命であることを改めて認識した。
北朝鮮の核兵器開発問題やパキスタンによる核関連技術の流出など、核拡散の懸念が深まる一方で、米国は、新たな小型核兵器の開発の動きさえ見せている。核保有国は、2000年の核不拡散条約(NPT)再検討会議において、「核兵器廃絶の明確な約束」を認めながらも、決してそれを果たそうとする姿勢を見せていない。核保有国が真摯に核兵器廃絶を目指さなければ、他国の核拡散を防げないのは明らかである。
私たちは、日本政府に対し、非核宣言自治体の声を受け止め、非核三原則を法制化し、国際社会において核兵器廃絶運動の先頭に立つことを求める。
核不拡散体制の崩壊が現実化しつつある中、来年開かれるNPT再検討会議は、核兵器廃絶を進めるうえで大変重要な意義を持つ。私たちは、この会議を人類が核兵器と決別する転機とするために、平和を願う世界の人々と手を携え、国内・外の世論の喚起に努めるとともに、平和市長会議の「核兵器廃絶のための緊急行動」を支持する。
私たちは、全国的な自治体再編が進められる中、地域の経営主体としての力を高め、平和を求める住民の意志を実現しなければならない。唯一の被爆国である日本の自治体として、このような住民の意志を支えとして、これからも互いに手を携え、核兵器の廃絶と恒久平和の実現を国内外に呼びかけ、その輪をさらに広げていくことをここに決議する。
2004(平成16)年7月30日
第19回非核宣言自治体全国大会